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2016年10月 2日 (日)

国内旅行に100万円かける人

 このところJRが超豪華列車にお熱を上げている。九州が始めたのであるが、東日本の出した列車のツアー額がおもしろい。
 何と100万円なのである。JALの海外ツアーで「ニューヨーク・ナイアガラ」の一番高いやつが99万円、それに相当する。
 この額なら、どこの大手旅行会社でも、普通にビジネスクラスを往復使い(しかも日系会社で)、三ツ星は無理でも高級でも上のクラスで「ニューヨーク・ボストン」「ロンドン・パリ」くらい余裕で行けてしまうのではないか。
 このところ海外旅行はとんとご無沙汰だが、そんな金と暇のある人が、JR東日本のこの列車にどれだけ乗るのだろうか。
 車両をいくら豪華にしたところで、車窓が特に変わる訳でもない。ましてや航空会社のようにエンターテイメントが充実している訳でもないだろう。
 日本の技術が外国に比べ特段に劣る分野に「椅子」というのがある。日本人には「くつろぐ」という感覚が徹底的に不足しているようで、ただぶかぶかしていてもいけない。安全基準への不正もあったが、日本のメーカーは旅客機の煮シートに関し欧米のそれに受注額でも大差を付けられている。
 大体において普段客を全員座らせる発想もないのに、高級シートを造ろうとするのが間違いである。いつぞや入れた「グランクラス」とかいうシートもただ豪華に見えりゃいいとの発想で、プライバシーの確保やエンターテイメントの充実という面では欧米より20年は遅れている。
 日本に鑑賞に耐える風景があるかどうかも問題だ。東日本の管内ではずば抜けて風景の良い五能線や只見線には重くて入れないらしいので、ローカル列車に乗り換えるようだが、じゃあそんな列車乗る必要があるのか、ということになる。
 本線、幹線沿いには国道が並行していることも多く、イオンモールだのパチンコ屋だのロードサイドの店と看板の洪水である。
 それでも乗るという人は、どんな人なのだろう。鉄オタがおいそれと出せる金でもないだろうに。国内で町ぐるみで見せられるのは明日香村ぐらいか(しかもJRの沿線じゃない)。日本が風景というものに価値を見い出す国にならなければ、お客を呼ぶのは大変だろう。  

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